古いバイクに乗る覚悟
こんにちは。前回投稿よりしばらく間が開きましたが、いつもの事なのでご了承ください笑
今回の内容は、バイク初心者でこれからバイクを買おうとしている方、特に古いバイクを買おうとしている方に読んでいただきたい内容となります。かなり長くなると思いますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
経緯
まずはこの記事を書くことになった経緯について順を追って書いていきます。
事の発端は9月上旬。(というより納車当初から故障していたが最初からだったので不思議に思わなかった)異常に水温が高くなる状態が続いていました(画像下)。
数十分の走行であっという間に水温計がオーバーヒートを示し、走行に特に問題はありませんでしたが、エンジンには確実に負担がかかっている為修理に出しました。
数回の持ち込みを経て、クーラントの補充(なぜ納車の時にしっかりと入れていなかったのか…)や冷却ホースの交換、1週間ほど預けての点検を行いましたが改善は見られず。
近所のバイク整備士の方にも見て頂き、センサー故障の可能性が高いと判明しましたが、この時点で私は改善しない故障と、古いバイク故の不安感に耐えきれなくなっていました。
そこに追い討ちをかけるように、学校からの帰り道に唐突なエンジンストップを食らったもので、完全にホーネットに乗り続ける自信がなくなってしまいました。
結局ホーネットは先日購入店で売却をする事となり、購入から僅か数ヶ月で降りる事となりました。
予め言っておきますが、バイクに罪はありません。古いバイクという事を知りながら、そのリスクを深く考えず、安易に購入を決めた自分に全ての非があると考えています。
ここからは私と同じ「バイク初心者で、知識も少ないけれど、旧車や古いバイクが欲しい!」という方に向けたお話になります。
古いバイクを買う覚悟
結論から申し上げます。厳しい言葉になりますが、バイク初心者は古いバイクを購入するべきではありません。新しく、始動性が良く、快適に走れるバイクを選ぶべきです。私も1台目のcbr250r に乗り続けているべきでした。
知識がある方や、初心者であっても「故障が多々続いたり、中々改善せずに慣れない日々が続いてでもこのバイクを所有したい!」「たくさん勉強して、何度壊れても直して乗り続けるんだ!」という熱意と覚悟をお持ちの方は古いバイクを買い、乗る資格があると考えます。
しかし、中には古いバイクを乗るのに向いていない方がいるのも事実です。その典型的な例が私です。
古いバイクに向いていない人
古いバイクに向いていない人というのは、単にバイクの知識が乏しい人だけではありません。簡単にリストアップします。
- バイクを日常の足として使いたい(使う)人
- 憧れだけで欲しくなっている人
- 気軽にバイクに乗りたいと思っている人
- 修理にお金をかけたくない人
こう言った方は古いバイクには向いていないと考えます。私はこの中の全てに当てはまり、その上自分で修理する為の知識をつけようとも考えていない特に酷い例です。以下ではそれぞれの詳細な説明を記します。まだまだ続きますが、古いバイクを購入検討しているバイク初心者の方は是非読んでください。
1番と3番に当てはまる人
まずは1番と3番。バイクを日常的に使い、気が向いた時にツーリングに行きたいという人です。大体の方は当てはまるかと思います。
バイクは本来気軽に乗れる乗り物ですが、古いバイクとなるとそうもいきません。いつも通りに乗ろうと思ったらエンジンが掛からない、急いで家を出ないといけないのに、キャブ車故にエンジンのかかりが悪い、行きは良かったのに帰りは調子が悪いなど、古いバイクになればなるほど突然のトラブルは増加します。勿論始動時だけで無く、走行中に故障することも珍しくありません。気軽にツーリングに行くどころか予定をキャンセルして修理になったり、間に合うはずの通勤通学に間に合わなかったりと、日常使いには常にリスクが付きまといます。新しいバイクでも故障の可能性は勿論ありますが、古いバイクのリスクは現行車のそれを遥かに上回ります。
故障だけでなく、古いバイクだからこその始動性の悪さもあります。外気の状況に合わせてコンピュータが最適な燃料供給をしてくれる現行のインジェクション車(簡単にいうと、キーを回した時に「ウィーン」と音がするタイプ。教習車もそうだと思います。)と違い、古いバイクはそれら全てをキャブで機械的に行います。キャブ車は基本エンジンをかけて直ぐに乗り出すのには向いていません。夏場はともかく、冬場や冷え込みの強い時期は最低でも10分ほどの暖機運転(人間で言う準備運動的)が必要です。それをせずに走ると、バイクに負担がかかったり、走行中にエンジンが止まることもあります。
長々書きましたが、要は直ぐに走り出すことが出来ないんです。通勤通学に使うのに、始動性が悪いから手間がかかるのは致命的です。そこも含めて愛してやる!という覚悟と愛情は必須です。兎にも角にも、古いバイクは気軽に乗ることが難しいです。
2番に当てはまる人
お次は2番の憧れだけで欲しくなっている人です。
バイク初心者の方は初バイクとして250ccの中から探す方が多いと思いますが、現行の250ccバイクには四気筒のモデルは少なく、単気筒もしくは二気筒のモデルが中心です。唯一現行で4気筒なのはカワサキのzx25rくらい。
非常に高価で敷居が高いです。下手したら大型バイクが買えます。
四気筒はそのレーシーなサウンドから人気が高いですが、現在の250ccバイクではほとんど数がありません。そうなると確実に候補になってくるのがホーネットやバリオスをはじめとした1990年台の250cc四気筒バイク達です。
プレミア価格がつき高いとはいえ、新車の単、二気筒と同価格帯で購入出来ます。四気筒に憧れるバイク初心者は必ずと言って良いほどそれに飛び付き目を輝かせます(私もそうです)。四気筒でなくても、旧車独特のスタイルや味に魅力を感じて欲しいと感じる人も多いでしょう。近年はモトブログの影響もあり、より旧車への憧れを持つ方が増えているように感じます(これも私です)。
憧れを持ったり、欲しいと感じたりすること自体は何らおかしくないですし、問題ではありません。しかし、古いものには相応のリスクがあるのが現実です。知識もなく、気軽にバイク乗るべきである初心者が、憧れだけで購入して良い領域のバイクではないと言うことです。もし古いバイクに乗るとしても、相応の覚悟を持ち、年式の高いものを選ぶべきです。単なる憧れだけでは後々確実に後悔します。
4番に当てはまる人
4番は修理にお金をかけたくない方ですね。これとプラスして、「修理すれば一発で調子が良くなるんだろう」と考えている人も追加します。
まず初めに、古いバイクは遅かれ早かれ絶対に故障します。程度の大小はあれど確実に壊れます。新しいバイクでも故障は起こり得るのですから、古いバイクともなれば尚更です。
そして故障は連鎖します。一方が治らないうちに別の場所が故障、直ったと思ったら同じところがまた壊れた、なんてことは日常茶飯事だと思ってください。
バイクの詳しい故障箇所を特定する為に、何度も修理をすることもあります。私はまさにこの例で、オーバーヒートの問題を発見してから、
クーラントの補充→ラジエーターホースの交換→冷却関係の全体点検、洗浄→接続アースの点検
と言った感じで修理を重ねましたが、結果として改善には至りませんでした。もうあと数回修理すれば直りそうではありましたが、この先もこう言ったことが重なるのだと考えた途端、乗り続ける自信は無くなりました。
保証が使えたり、期間内であれば無償で済みますし、現にホーネットの修理や点検も全て無償で済みましたが、この先保証の期間が切れてからは、修理に何度も向かい、治らなければさらに代金がかかり…と言うことも起こるわけです。修理代金が嵩むことは明らかです。
また、古いバイクは補修パーツの入手も困難だったりします。不人気車やマイナー車はもちろんのこと、人気車であるホーネットですらホンダはエンジンの補修パーツの生産を終了しており、現在はヤフオクや個人売買で探し続ける必要があります。お金がかかるだけでなく、時間もかかるわけです。某有名モトブロガー、ヲ○ライダーさんが所有されていたホーネットはフルレストアされていますが、ホーネットもエンジンパーツの入手にかなりの時間をかけたそうです(「ヲ○ライダー ホーネット」等で検索してみてください)。
そう言った修理の面でも、初心者にとっては維持をしていく為のハードルが非常に高いと感じます。
バイクを買うときはよく考えて
今回私は自らの知識の乏しさ、計画性の無さ、乗車スタイルとのミスマッチ等を考えず、店頭で即購入を決めた結果、理想とのズレに耐えきれず僅か数ヶ月でバイクを手放す事になりました。44万円で購入したバイクが28万円になって帰ってきた時の虚しさ、バイクへの申し訳なさは相当なものです。どんなに「欲しい!」と思っても一度その気持ちを抑えて考える時間を作るべきです。古いバイクはその古さ故に数は限られますし、新車と違い売れてしまえば次はいつ理想の車体にであえるかも分からない為、焦る気持ちは十分に理解できます。しかしどうか、どうか一度しっかり考える時間を作って下さい。そして可能であれば、周りの人やバイクに詳しい方に話を聞き、ネットで調べ(そのバイクの長所ではなく欠点を)、リスクを確実に理解して下さい。
私のように、深く考えず、憧れだけと勢いで購入した結果バイクを降りる事になると言うのは、バイクに失礼ですしバイクが可哀想です。お金も無駄になるので、あなた自身も後悔する事になります。
何度も言いますが、今古いバイクの購入を考えている方は、もう一度、1日でも1週間でも良いので、しっかり、ゆっくり考えてください。
考えた上で、リスクを理解した上で、「それでも乗りたい!」「何度でも直してやる!」と思えるのであれば、購入するのも良いのではないかと思います。古いバイクには古いバイクにしかない良さ、魅力があるのは確かですので、覚悟を持って接する分には非常に良いバイクだと思います。
さいごに
今まででトップクラスに長い文章になりました…書き初めから1時間以上かかってます(苦笑)
でも、本当にそれくらい理解して欲しい内容です。私のような後悔をする人、私のホーネットのような悲しい思いをするバイクを少しでも減らしたいが為の内容です。
このような無名ブロガーの記事が多くの人の目に留まるとは思ってもいませんが、少しでもこの記事に出会い、考える時間を作ってくれる事を祈っています。
最後になりますが、本日新車で3台目のバイクを契約しました。昨日の今日ですぐバイクの購入となると記事の説得力も薄まりそうですが、数回の下見、他バイクとの検討も併せて自分なりに後悔のないバイクを選んだつもりです。納車は来週の予定ですので、それもブログでご報告できればと思います。
ここまで読んでいただいた皆様、本当にありがとうございます。拙いブログとなりますが、是非温かい目で見守っていただければと思います。
ではでは。